途方に暮れて、人生論
保坂 和志

途方に暮れて、人生論
草思社 2006-04-21

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前から気になっていた(06/6/17記事)この本を読んでみた。

そしたら、さらに途方に暮れてしまった。

何が気になっていたかというと帯にあるコピー
「希望」なんて、なくたっていい。
「いまここにいること」を肯定する、まったく新しい人生論

とあるから、その意味するところを知りたくて気になっていた。

つまり拙速に答えを求めていたわけだが、本書の中身はまさにそれとは正反対で安易にそれについて直接書かれている箇所はない。

2つの連載を1冊にまとめたエッセイ集で、随所に共感できるところや面白いところもあるにはあるのだが、最後まで読んでみて結局、そこに書かれていることから自分で読み込まないとだめだなと思いつつ、急ぎすぎて表面的にしか読んでいなかったことに気づく。

とどめはあとがきにあった。

この本には生きるために便利な結論はひとつも書かれていない。しかし安易に結論だけを求める気持ちがつまずきの因(もと)になるということは繰り返し書いている。生きることは考えることであり、考えることには結論なんかなくて、プロセスしかない。
「希望なんてなくていい」という答えを知りたいという結論を求めながら読んでしまったので、まさに著者の言ってることの反対のことをしていた。

本書に興味のある人はamazonのレビューを読むか、den_en relaxuotaさんの書評をお読みになるといいでしょう。
ぼくとuotaさんのやりとりも参考になるかもしれません。

読みきれなかった自分が言うのもなんですが。。