数年ぶりくらいに「週刊SPA!」を買った。
今購読している新聞には一切広告が入らないし、東京にいた頃は電車の中吊り広告で目にしてたから大体どんなこと扱ってるのかわかってたけど、いまはそれもない。コンビニで毎回チェックしてるわけでもないが、今回は「10年後のオレが見えない!白書」という文字が飛び込んできたので思わず買ってしまった。

何を期待して買ったのか、中身は20〜30代のサラリーマンの10年後の自分の生活を想像したアンケートを基にした記事になっているのだが、これが、暗い、暗い。
バブル崩壊後の「失われた10年」しか見てきていない世代だからなのだろうか。
フリージャーナリストの武田徹氏のコメントを引用します。
「現実は自分の手に負えない」という諦め
(前段要約:80年代まではレールがあってある程度の未来は見えたが90年代になってそれが崩れたにもかかわらず)昔は動けなかったから動かなかった。今は動けるのに動かない。現実が自分の手に負えないという絶望感や諦めがより強くなっているように感じます。〜中略〜自由は、簡単に不安に変わり得る。自由を謳歌するのでなく、”自由からの逃走”状態に入っているんじゃないでしょうか。

う〜ん、わかるような気もする。現実が「勝ち組負け組」的二極化だの「希望格差社会」だの、「年収300万円時代」だの、正社員雇用が減って不安定な派遣労働型社員が増えて所得も減るだの、自分ではどうしょうもないような社会的雰囲気にのまれてる結果の不安ということか。(派遣社員でも高度な専門スキルがあればまた話は別なのだが)
その中で何とかしようという人がいたとしても、そういう事例も紹介しているが、投資などの不労所得や副業に期待していたり、起業してひともうけみたいなことを考えている人もいるけどそんなに甘くはないだろう。

「日本の10年後」はこのままではヤバイのか?
(前段要約:戦争やテロ、治安の悪化、円の価値の暴落、税負担増など危惧するが現実的には考えにくい)「しかし、自分が働きかければ未来が変わるかも、とは考えない。むしろ不安を理由に強いリーダーシップを求め、小泉信仰が生まれたりする。単純に救世主(メシア)願望を持ってしまうんです。その半面で、弱者は救われない、負け組になったら這い上がれないと、体感的にわかっているんじゃないですかね。だから、「会社員のままで現状を死守」みたいな発想になる。ある意味賢いと言えるかもしれないけど、一番不健全な社会の在り方なのかもしれません」

「負け組になったら這い上がれない」というのもわかる気がする。一度そうなってしまうとよほどのスキルとか情熱みたいなのとか何かがなければだめだ。だからって誰かに救ってもらおうっていうのも虫のいい話で、やっぱり自分で何とかしないといけない。でも希望の持ちにくい社会になってて自分ではどうにもできそうにない、とまたさっきの話に戻ってしまう。

自分のことで言えば、派遣先には派遣社員という立場ではあるが自分の所属会社には正社員としての雇用なので、「会社員のままで現状を死守」というのも、ものすごくよくわかる。いま、正社員として雇用されていること自体、ものすごく運のいいことだと思っているから。時給制の派遣社員でもおかしくないし、へたすればアルバイト並みの仕事をしていたかもしれないところを運よく今の仕事が見つかったに過ぎない。

だが、いまの派遣先の契約が切れたら次がどこでどんな仕事が待ち受けているのか、自分のスキルが活かせるような職場があるだろうかと考えると不安。自分から退職を願い出ない限り不当には解雇はできないはずだから、多少希望に沿わなくてもどこかしらの工場で単純作業でもしているのだろうか?

はっきりいって自分のキャリアパスというものがさっぱり見えてない。そうしてるのも自分なんだけど。
何がやりたいのか、何ができるのか。

大卒後小中学生向けパソコン用学習教材の編集で理科担当を5年、その後はパソコンに関わったいろんな仕事をしてきたけれども、「○○のプロである」と言えるものが何もない。

これまでの経験を総合的に活かすなら、やっぱり公教育現場に情報教育関連で何らかの形で関われないかというところだなぁ。。教員免許だって一応持ってるし。パソコン関連はひろーく浅く知ってるつもりではあるし。
でも2年前にやっていた情報教育アドバイザーでははっきりいって臨時だしアルバイトだしそれでは食っていけない。
もっと恒久的に関われないものだろうか。NPO法人だか外郭団体だかよくわからないけど。
ハード面の整備は行政と業者にまかせて、ソフト面でのサポートをやりたいんだ。
ソフト面にも2つあって、1つはいわゆる情報教育(ネットモラルだのマナーだのの類)と、通常の授業の中でどういう場面で情報機器をどう利用すれば理解が深まるとか効果的だとかをカリキュラムにまで踏み込んでサポート、協力できるような面と。

※追記(10/9):読売新聞05/9/7記事
「IT」模索 企業の力も
↑でも講習は企業による無償なんだよな。。
※追記おわり


やりたいことをやってれば安月給でもいいか、やりたくもない仕事を適当にやって適当な給料がもらえればよしとするか、最悪やりたくもない仕事で安い賃金労働になってしまうのか。

当面まだこの先2年は最低現状を続けるだろう。
その先のためにもしそれを本気でやろうとするならば、それまでは入念な準備期間としなければならない。

「うつ」のこともあるので、あせらずに、ゆっくりと、考えていこう。。

※追記(10/10)
SocioLogicさんのニュースメモ(2005/10/9-2005/10/15)にリンクを貼っていただいてアクセスが増えております。
その記事の他にも大変勉強になるリンク先があるので2つほどリンクを貼っておきます。
いずれもNLIリサーチ(ニッセイ基礎研究所)より
人口減少時代のライフデザイン -「個」を活かす社会へ- (PDF:10.6MB)
止まらない非正規雇用の流れ (PDF:65KB)
SocioLogicさんの別のカテゴリー記事もすごく勉強になりそうな内容ばかりです。
時々見に行きたいと思います。