最近読んだ本のまとめを半年ほどやっていなかったので2回に分けて紹介します。

防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか(祥伝社新書)
杉井敦 星野了俊
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防衛大学校は自衛官の幹部候補生を養成するところだが、イメージ的にはテレビメディアなどで見る厳しい訓練を想像すると思う。文武で言えばそれが武とすれば、本書は「文」の方についてどのようなことが学ばれているのかがざっくりと書かれている。座学は画にならないのでなかなか知られないが本書を読めば安全保障等の基礎もわかる。学術的、アカデミックなこともやっている。本文中や巻末にある参考資料の方がより専門的だが、入口としてはいいと思う。平和とは?戦争とは?から日米同盟って?尖閣は?のようなものまで。

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買い物難民を救え―移動スーパーとくし丸の挑戦
村上 稔
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買い物難民という社会問題に対し、落選した市議会議員がソーシャルビジネスとして軽トラの移動スーパーという形で事業を興し奮闘している様子を書いているのだが、社会的に非常に意義のあるビジネスだ。孤軍ではなくチームとして組織されているのがうまい。全国的に問題になってくる中で一つのモデルケースかもしれない。注文宅配とは違う意義もある。ただ、「誰にでもできるけど、実際は誰にでもできることではない」くらいの覚悟と本気度が必要。この問題に限らずに何かソーシャルなビジネスを考えている人には参考になると思う。

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すごいインド: なぜグローバル人材が輩出するのか (新潮新書 585)
サンジーヴ・スィンハ
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インドについては断片的、あるいはイメージでしか捉えていないのである程度まとまった形で知りたいところにちょうどいい本。著者は41歳のインド人で在日歴18年。前半は著者の半生をたどりながらインドの変化の過程、社会環境、家庭・地域、教育、インド人の気質などの実情がわかる。「古いインド」から「新しいインド」へ移ろうとして混在している現在、優秀な人材は欧米に流れてしまうのは残念だが、著者はインドと日本の架け橋になろうとしている。貧困や格差の問題もあるが、やはりインドはすごい。

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これでもがん治療を続けますか (文春新書)
近藤 誠
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本書を買った後になって著者は似たような本を多数出しており、中にはベストセラーのものもあったらしいことを知った。また批判も多いことも。がん治療のすべてを否定しているわけではなくて、部位や進行度合いによって有効な治療法はあるのだけど、ほとんどがこの著者に言わせれば違うらしい。がんに限らず医療情報は溢れているので、結局のところどうするかは自己責任ということか?医者に任せるのも自分で調べてどうにかするにしても。とりあえず自分は、せめて死ぬときには苦しみたくはない。。

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3つの循環と文明論の科学―人類の未来を大切に思うあなたのためのリベラルアーツ
岸田 一隆
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10万年前から3つの革命で発展してきた人類。しかし指数関数的な成長はそろそろ方向性を変えないと文明が破滅するというハードランディングが待っている。成長を前提としない持続可能な社会、定常型社会を目指さなければならない、とする。持続可能性についての書籍はすでに数あるそうだが、俯瞰的な入口としては、本書はドラマ「ガリレオ」のセリフの引用などもあり、わかりやすい。

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日本人の知らない「クレムリン・メソッド」-世界を動かす11の原理
北野 幸伯
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著者は卒業生がロシアの外交官かFSB(元KGB)になるというモスクワの大学を日本人で初めて卒業した北野幸伯氏。ロシア在住なのであらゆる情報源からの国際情勢分析は定評でかつわかりやすい。本書では世界の大局を読む術を本にまとめたもの。著者のメルマガ読者であればいくつかは知っているものもあるがまとまっているのがいい。なぜ国はこう動くのか、などの仕組みがわかる。中国が「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない」と宣言していることすら知らない人などにお勧め。何よりいつもながら読みやすい。

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