わたし、型屋の社長になります (小学館文庫)
上野 歩

わたし、型屋の社長になります (小学館文庫)

痛快な読後感。広告代理店のOLが病気で倒れた父に代わり、金型の中小企業の社長として跡を継ぐ。資金繰りや引き抜き、大口受注の取り消しなど前途多難な船出だが、様々な人との出会いと徐々に社員への信頼も得て新たな挑戦に挑む。現実はそうもうまくはいかないかもしれないが、主人公を応援したくなる。「下町ロケット」のような派手さはないが、逆に筆者の生い立ち環境もあってか等身大な町工場というのを感じた。全く個人的なことだが、補聴器利用者としてはラスト(の続き?)は伏線があったとはいえサプライズであった。
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大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)
池上 彰 佐藤 優

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本書は世界史とはあるが、どちらかというと最近の時事的なネタについてそれぞれの歴史的背景を考えるというスタンス。だからイスラム国のこともトルコのことも書いてあるしドイツのこともロシアのことも書いてある。がゆえに出版があと2ヶ月くらいずれていたらパリのテロやトルコのロシア機撃墜等にも触れられたかもしれない。ともかく現代の世界の動きを理解するには歴史と宗教は必須である。体系だった歴史を学ぶのによい推薦図書一覧がある。
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命売ります (ちくま文庫)
三島 由紀夫

4480033726

三島由紀夫の本は読んだことがない。最近になって帯までつけて掘り起こした本らしいので読んでみた。自殺に失敗した男が自分の命を売りますという新聞広告を出して、その後の顛末が描かれている。帯にはどんでん返しもあるとあったが、何だかよくわからない。三島にしてはエンタメ系の珍しい作品なのかもしれないが、やはり純文学なのか、もやもやする。三島の思想的背景や時代的背景などを知っていると違った見方ができただろうか?命とか生きることについての三島なりの考えがあるのかもしれないが、自分は読み取れなかった。
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エンダウメント投資戦略
山内 英貴

4492733264

米国のハーバード大やイェール大が機関投資家だったという話は別のどこかで知っていたがどのような運用をしているのかはわからなかった。本書ではそれを明らかにするとともに、その手法は個人でも応用できるという触れ込みだったので読んでみた。基本的な部分ではまっとうな投資戦略であるが、一番肝心で著者も推奨している「リキッド・オルタナティブ」というものに投資できるものが現時点での日本では皆無。米国では急速に拡大しているので追って日本でもそのうち出てくるだろうということだが、どうなんだろう。
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ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 (岩波新書)
広井 良典

4004315506

ポスト資本主義についての本はいくつか読んだつもりだが、もうこれで打ち止めにしてもいいかと思う。資源に限りはあるし、いつまでも拡大成長できるわけでもない。「世界の持続可能性や人々の幸福という価値を基準にとった場合、定常化あるいは「持続可能な福祉社会」への道こそが、私達が実現していくべき方向ではいか」という最後の一文に尽きる。経済だけでなく人類の歴史、文明、民俗、科学・生命論、宗教、公共政策も盛り込んでてんこ盛り。最後の参考文献の一覧は個別により深く知るにはいい壮観なもの。
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