2006年11月24日 18:53
パート年金拡大は経営側に配慮だ?
■パート年金拡大「勤続1年」など新条件を調整(読売新聞:06/11/24)
政府・与党は23日、厚生年金の適用拡大の対象となるパート労働者について、新たに、〈1〉勤続年数が1年以上〈2〉月収(標準報酬月額)が9万8000円以上――を条件とする方向で調整に入った。実質的に社員と同じ仕事をしているのにパートというだけで厚生年金面で待遇が劣るのを是正するのは良さそうに思える。
政府は早ければ年内に具体案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出したい考えだ。
現在、週の労働時間が「30時間以上」のパート労働者は、すでに厚生年金の対象となっている。正社員との格差解消などのため、政府・与党は「20時間以上」に拡大することにしているが、対象が広がり過ぎて企業の負担が過重にならないよう、勤続年数や月収を条件に加え、最終的にはより正社員に近いパートだけに絞り込む方針だ。
けれど、現在でも厚生年金の対象にならないように30時間以上にならないようにわざとそうしているという人もいるらしい。それはそれでその人の判断だとは思うが、これが週20時間でも厚生年金の負担がかかるとなると、じゃあ19時間でやめるともなりかねない。でもそもそも週20時間程度のパートの賃金じゃたいした額にならないだろうし、そこから引かれる厚生年金代もそれ相応なのだろうが、そもそも年金制度自体が危ういのにこれが導入されたら実態はどう動くのだろうか?
しかも
今回は、経済界への配慮から、対象の絞り込みに加えて、従業員300人以下の中小企業への適用拡大は当面、見送る方針だ。だという。従業員300人以下の中小企業が日本の会社のほとんどを占めているのにそれじゃ骨抜きじゃないか?
ホワイトカラー・エグゼプションの方は積極的に進めようとしているくせに。
同じことを朝日新聞の記事では視点を少し変えて記事にしている。
■パート待遇「正社員と均衡」明記 厚労省法改正案(asahi.com:06/11/24)
「正社員との均衡ある待遇の確保」を事業主の責務として初めて明記。正社員と仕事や責任が同じパートについては、賃金の決め方を正社員と合わせることを企業に求め、正社員への転換制度の導入や支援策も義務づける。こんな感じ。具体的なことはリンク先を参照してください。
その朝日の記事では最後をこう締めくくっている。
しかし、改正案は正社員に近いパートを制度設計の前提としており、「子育てなどで短時間労働を余儀なくされている低賃金のパート労働者の待遇改善が置き去りにされる」との指摘もある。これが上の読売の記事の週20時間以上で厚生年金ということにはならないのかな?
あ、「低賃金」だ。週20時間以上30時間未満などでも厚生年金が引かれてしまうとただでさえ低賃金なのにさらに収入が減ってしまう。
仕事の内容(難易度や経験など)に応じて、短時間でも低賃金にならないような待遇改善が必要だろう。
※追記:06/11/25
■契約社員らの正社員化規定を削除 労働契約法素案(asahi.com:06/11/25)
短期の契約を繰り返す契約社員など「有期雇用者」の正社員化について、厚生労働省が来年の通常国会に提出予定の労働契約法の素案から、正社員化を促す規定が削除されたことが24日、明らかになった。経済界が「業務の繁閑に対応するために有期雇用は不可欠」と強く反発しているため。厚労省はパート労働法の改正でパートの正社員化を打ち出すが、一方で契約やフリーターなど非正社員全体にかかわる有期雇用の問題には手をつけず、政策の整合性が問われそうだ。は? パートと契約社員ではまた違うってこと?
何だか意味が分からない。迷走してないか?
□内部関連記事:「「労働ダンピング」を読む」

