2005年03月31日 22:42
派遣先企業にも責任
■毎日新聞記事
過労自殺:東京地裁が派遣労働者に認定、全国初業務請負なのにニコンから直接指示を受けていたのがまず違法(派遣ではないため)。請負会社はニコンから業務状況の報告を受けていたのに、社員の負担を軽減する働きかけもしなかったとして責任があるのは当然として、派遣先であるニコンにも安全配慮義務を怠ったという判決がくだったところが画期的らしい。
名古屋市の業務請負会社ネクスター(現アテスト)から、光学機器大手ニコン(東京都千代田区)の埼玉県内の工場に送り込まれたネクスター社員、上段(うえんだん)勇士さん(当時23歳)が自殺したのは過労が原因として、遺族が両社に1億4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、東京地裁であった。芝田俊文裁判長は「業務の過重性に基づくうつ病が自殺の主要な原因」と、両社が安全配慮義務を怠った末の過労自殺と認め、両社に連帯して2490万円を支払うよう命じた。実質的な派遣労働者の過労自殺認定は全国で初めて。
働く側からすれば当たり前のことだ。
遺族が記者会見で言っていた。派遣や請負で働く人たちというのは、1日でも休むと次の解雇の対象が自分になると。それで過酷な労働にも耐えていたというのか。
死亡直前の2月の1週間は2度の休日を返上し、1日平均12時間を超す労働で、クリーンルームと呼ばれる閉鎖的な空間で、防塵(ぼうじん)服を着てほとんど立ちっ放しの作業をしていた。この文章を読んだだけでもキツイと思う。そういえば先月放送されたNHKスペシャルの「漂流するフリーター」の人たちも請負社員だったと思う。安い時給で、不安定な身分で、過酷な労働。仕事先の企業にいいように使われていたように見えた。今回の判決は、今後ますますこうした非正社員の労働者が増えていくだろう世の中に対し、彼らの労働条件の改善につながっていくものになるだろうか。
自分の場合は、自分の会社に対しては正社員だが、派遣先では派遣扱い。去年の途中までは請負契約だったような気がするが、実態に合わせて途中から派遣となる。
基本的に残業はなしなので毎日定時に帰ってるし、そうした製造現場のような過酷さはないが、どんどんスキルアップして職場に対して存在感を出していかないと自分にとっても後に続かない。
正社員は過重労働、非正社員は不安定性。自分は感覚的には後者に近い。
安定してて現状維持と保身を目指して、かついい給料をもらおうなんて、いまどきあるか?
誇りを持って仕事ができている人はそれだけですごいと思う。
<業務請負>
アウトソーシング(外部委託)の一種で、製造・営業など業務を一括して請け負う。人材の受け入れ先企業の指示に従う「派遣」と違い、業務終了まで請負会社が直接、労働者を指揮命令する。業務請負は派遣業のように国の許可がいらないことから、派遣の受け入れが禁止されていた製造業で広がった(04年3月に派遣解禁)。