2014年06月16日 19:37
集団的自衛権を考えるとりあえずの2冊
数年前の大河ドラマ「篤姫」の中の有名なフレーズとしてこのようなセリフがあった。
「一方聞いて、沙汰するな」
片方の意見だけを聞いて判断をするなという意味だろう。
世間は、というより、政界とメディアでは集団的自衛権についての話題が続いている。
自分の立場や意見がはっきりしている人は、その容認について賛成なのか反対なのかは明確なのだろう。
よくわからないとか、何となくの印象しかない状態で、何らかの情報等を聞いて、賛成だ、反対だと思うのもちょっとどうかと思う。
そこで冒頭の言葉だ。
賛成意見と反対意見の両方の立場からの本を読んで自分なりの考えを持つというのはどうだろう。なかなかそこまで考える時間もない、とかそこまで真剣には考えられないということもあろうが、一部で言われるように将来のこの国の安全保障に関わる問題だ。一応自分はこの2冊を読んでみた。
賛成派としてはこちら↓
日本人のための「集団的自衛権」入門 (新潮新書 558)
石破 茂

石破氏の考えと、政府や安倍総理の見解とは微妙に違うところもあるだろうけど、この本はとりあえず基礎基本のところの解説で半分、残りの半分はよくありがちな質問に対する答えというQ&A方式で書かれてある。
とりあえずこの本だけでも集団的自衛権についての基本はわかると思う。集団安全保障との違いもわかる。
批判する側にしてみれば嘘を書いているといわれる部分もあるのかもしれないが、ともかく違和感を感じたらそれを自分の意見としてみたらどうなのかを考えるきっかけにはなるだろう。
その問答のようなつっこみもしているような反対派の本としては下の本を読んでみた。
日本は戦争をするのか――集団的自衛権と自衛隊 (岩波新書)
半田 滋


こちらはこちらで石破氏の本では書かれていないようなことも書いてあるので勉強になる。
だいたいが石破氏が「反対派が心配するだろうな」という内容をエスカレートして心配して書かれている。
そして自分自身の意見としては下記のメルマガの長年の読者として、「憲法を改正しないで」「限定容認論」を支持する。
2014/02/13【RPE】★弱体化したアメリカは、日本に「集団的自衛権容認」を求めるメルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」
憲法改正はアメリカが許さないと書かれている。
憲法解釈の変更でいい。もちろん論理的にはおかしい。集団的自衛権を容認するなら憲法を改正しなければ筋が通らないというのもわかる。だが、それは認められない。
安倍総理も石破氏も、もしかしたら最終的には憲法を改正して、集団安全保障による多国籍軍への参加もできるようにするのが目的で(よくいう「戦争に参加する」ということ)、この「限定」容認はそのための一里塚だとするならば、そこまでは認めない。
あくまで憲法解釈による「限定」的容認である限りにおいて認めるという立場、スタンスだ。
この2冊だけではまだまだわかっていないかもしれない。
ただ、どちらにしろ、これから世の中がどうなっていくにしろ、政界を個人として監視するのに、一度は考えておくものではあろう。
2冊目の著者と石破氏が議論してみたらどうなるだろうか?
多分、かみ合わないかもしれない。そんな印象を持った。でも、優秀なファシリテーターの元に行えば非常に面白いかもしれない。
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集団的自衛権の焦点 「限定容認」をめぐる50の論点
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by G-Tools
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よくわからないとか、何となくの印象しかない状態で、何らかの情報等を聞いて、賛成だ、反対だと思うのもちょっとどうかと思う。
そこで冒頭の言葉だ。
賛成意見と反対意見の両方の立場からの本を読んで自分なりの考えを持つというのはどうだろう。なかなかそこまで考える時間もない、とかそこまで真剣には考えられないということもあろうが、一部で言われるように将来のこの国の安全保障に関わる問題だ。一応自分はこの2冊を読んでみた。
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石破氏の考えと、政府や安倍総理の見解とは微妙に違うところもあるだろうけど、この本はとりあえず基礎基本のところの解説で半分、残りの半分はよくありがちな質問に対する答えというQ&A方式で書かれてある。
とりあえずこの本だけでも集団的自衛権についての基本はわかると思う。集団安全保障との違いもわかる。
批判する側にしてみれば嘘を書いているといわれる部分もあるのかもしれないが、ともかく違和感を感じたらそれを自分の意見としてみたらどうなのかを考えるきっかけにはなるだろう。
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憲法解釈の変更でいい。もちろん論理的にはおかしい。集団的自衛権を容認するなら憲法を改正しなければ筋が通らないというのもわかる。だが、それは認められない。
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この2冊だけではまだまだわかっていないかもしれない。
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多分、かみ合わないかもしれない。そんな印象を持った。でも、優秀なファシリテーターの元に行えば非常に面白いかもしれない。
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